気持ちを表現すると、なぜ心が軽くなるの?② -書くことで得られるカタルシス

前回、気持ちを誰かに話すことでホッとしたり、緊張が和らいで安心感を感じることについてお伝えしました。でも、心の奥にある感情を人に話すことに抵抗を感じる人も少なくありません。

そんな人にとって、無理なく気持ちを外に出せる方法があります。
その一つが「書くこと」です。

エクスプレッションライティングとは

悩みやネガティブな感情、思っていることなどをありのままに書いていくことをエクスプレッションライティング(筆記開示)と言います。

1980年代に心理学者のジェームス・ぺネベーカー博士が考案したもので、ストレスの軽減やメンタルヘルスの向上、トラウマの緩和などのために使われている療法です。

「書く」ことは、自分一人で完結できます。誰にも話せない悩み、恥ずかしくて話せないことでも紙に書くことで、安全に吐き出すことができる。話を聞いてくれる人を探す必要もありません。

頭の中のモヤモヤした感情を文字にして書きだすことで、自分の感情を客観的に見ることができますし、心の中に抱え込んだものを書くことで発散できるので、気持ちが楽になります。

不満やイライラが、頭の中でいっぱいになったときや、頭の中が混乱してしまったとき、眠れない夜などに書いてみてください。

気持ちを書きだすときのコツ

エクスプレッションライティングは、3~5日連続で1日20~30分程度、ストレス体験に対する感情や思ったことを書き出すことが勧められています。

でも時間は、3分から5分ほどでも結構です。自分の中の感情について詳細に掘り下げて書くのが良いといわれます。身体の感覚も書くようにします。

誰かに見せるわけではないので、気持ちを包み隠さず書きましょう。
字をきちんと書く必要はありません。誤字脱字があっても大丈夫です。正しい文章で書こうとする必要はありません。

書くのがつらくなったら、やめてもいいです。

書いた後に少し悲しくなったり落ち込んだりすることもありますが、その感覚は数時間で消えます。悲しくなって涙が出るのもいいことです。

自分の感情と向き合う

書くことで思い出したセラピースタイルがあります。

1900年代を生きたホメオパシーの、ロバート・フルフォード医師は、治療しても回復が難しかった患者たちに、こんなアドバイスをしていました。

夜、寝る前に、部屋の灯りを落として机に向かい自分の個人史をさかのぼって書き綴るというものです。1ページ書き終わったらそれを読み直して破り捨て、次のページに書き始める。そして夜も更けて疲れてきたら、その破り捨てた髪を集めて、安全なところで火をつけて燃え尽きていくのを見つめる。
これをしばらくの間、必要と思うだけ繰り返す、というものです。

安全に火をつける場所を探すのが難しいときには、ビリビリに破くとか、代わりの手段を考える必要があるかもしれません。この方法によって、記憶の奥の方に住み着いて体の働きを邪魔している「古い想念のパターン」と向き合うことに役立ちます。

それで博士は、「からだに症状のある人は、自分の感情生活をじっくりと振り返る必要がある」と述べています。

「ねばならない」とか理性だけに動かされず、立ち止まって自分の奥の感情にどうぞ意識を向けてみてくださいね。

紙とペンを用意して、3分だけ今の気持ちを書き綴ってみませんか。誰かに見せるためではなく、あなた自身のために。

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