香りとは? 精油と生命力とその働き

「香りとは何か」という問いに対して、
嗅覚生理学では「揮発性の芳香分子が嗅上皮に到達し、神経を介して脳に作用する」と説明されます。
一方で、アロマの分野では「香りは波動である」「エネルギーとして人に影響を与える」と語られることも少なくありません。

香りは物質なのか、波動なのか…  
どちらだと思いますか?

多分どちらも正しいのでしょう。

例えば放射能。
放射能というのは、放射線を出す能力のことです。
放射性物質は、放射線を出す物質です。

それと似ていて、香りは放射線のように広がっていくもの?
香り物質は放射性物質のように、香りを放出している?
そんなことを考えたりもしました。
でも、「香りとは何か」ということは、まだ十分にわかっていないようです。

でも、いくつかの面白い情報があります。
エコール・ノルマル・シュペリウール・パリのロマネ教授が60年以上昔に発表したものですが、
芳香物質の分子は、膨大な数の自由電子を持ち、それがほかの物質の分子との違いだそうです。

その自由電子を固定させようとしたところ、匂いは薄くなり、最終的には消えてしまったそうです。
私は「化学」も「物理」も全く分からないのですが、自由に動き回る電子があって香りが生じるということから、それが「生命エネルギー」、あるいは「波動」と関係があるのではないかと思ってしまいました。

もう一つ、ダニエル・マッケンジーは、匂いを知覚するメカニズムには二種類あって、この二つが同時に働くという仮説を立てました。

その一つ目のタイプは化学的なもので、芳香分子が実際に吸い込まれていくことが必要です。二つ目のタイプは、「バイブレーション」的なもので、その場合は匂いの分子が鼻に達しなくても感知されます。

マッケンジーはメスのオオクジャクガの例をあげました。このガは何キロも離れた場所の何十匹ものオスを引き寄せました。匂い分子(フェロモン)が届かないと考えられる、風上にいるオスたちも引き寄せました
彼は全ての物体には微妙な振動があり、それが匂いや色や音を生み出していて、感覚の鋭い人はそれを感知できるという理論を述べました。でもそれは一つの説にすぎません。

人工的な香りはいつまでも残ります。
精油の香りは、揮発しやすいのですぐに消えてしまいます。
この「消えてしまうもの」に、昔から多くの人たちは「生命力(エネルギー)」を見ていました。

「大切に扱われて抽出されたエッセンスは、生のエネルギー、『植物の魂』のようなもの」と書いた、オーストリアの生化学者マルグリットモーリーは、
精油は、「植物の成長のために使われるもの」と述べました。

根が成長するときは根に香りがあり、葉が成長するときは葉に香りがあり、花が咲くと花に香りがあり、果実がなるとそこに香りがあります。「植物の生きる力をつくるエネルギーは芳香物質の中にあり、それが成長の過程でつかわれていく」というのです。

「精油は、人間ていえば血液のようなもの」と言ったのは、ロバートティスランドです。だから「注意深く抽出して、注意深く保存しないと生命力を失って死んでしまいます」。また、血液と同様にその植物の特質と一体化していて、植物の個性」を表します。

香りを損なわないように細心の注意を払うなら、生命力が維持されて、人の身体にも作用するということです。


「エッセンシャルオイルのどこに生命力があるのでしょう?」と書いたアロマテラピー研究者がいました。水蒸気蒸留法では、細胞壁が破壊され、温度が高くなりすぎて反応できなくなり、植物細胞は死滅してしまいます。低温圧搾法では、細胞は破裂し、死んでしまいます。溶剤抽出法では、化学溶剤によって、やはり植物細胞は死んでしまいます。

通常の生きた細胞という観点で見るなら、確かに植物の生命力は、精油が抽出される段階では死んでしまいます。私も、最初にアロマテラピーを学んだときは、同様に感じました。
「生命力とは何?」

でも、長く精油や人の身体に接してきた今は、精油には生命力があると感じるようになりました。


植物はこの香り成分を成長のために、害虫や細菌からの防御のために作り出しています。そして受粉のために昆虫をおびき寄せるフェロモンに似た香りを放出します。

そしてその成分は人の体の中でも同じように働き、免疫を刺激したり、細胞の成長を促進したり、性ホルモンに影響したりします。

こうして、植物が生きるために生み出した香りは、私たちの身体にも働きかけ、命を支える力とつながっているのです。

Follow me!

PAGE TOP