嗅覚低下は身体からのサイン? ー認知症・うつ・健康リスクと香りのケア

「嗅覚」を意識するようになったのは、コロナでの嗅覚障害が言われるようになってからです。

それ以前にも、嗅覚と認知症の関係が取り上げられて、「嗅覚トレーニングは脳トレ」と言われたこともありました。(何年も前に、テレビでアロマの認知症予防のことが取り上げられた時は、ローズマリーの精油が品不足になって困りました。)

脳の細胞の中でも、嗅神経細胞は再生が可能なので、嗅覚は回復しやすいといわれます。意識して香りを嗅ぐ「嗅覚トレーニング」によって、新たに形成された嗅細胞を活性化し、鼻と脳とのつながりを再構築することができます。

五感の中で、かつてはそれほど重視されなかった嗅覚ですが、研究によりその大切さが知られるようになりました。


嗅覚喪失は、認知症に先行することが言われてきましたが、パーキンソン病患者の90%が運動症状より数年前に嗅覚喪失を経験するという報告もあります。他にも、嗅覚機能の低下は脳卒中や心不全のリスク増加と感連しているともいわれます。嗅覚低下が、フレイル、サルコペニアの早期発見の目安になる可能性もあります。

またうつ病になると、匂いを感じる部分である嗅球が小さくなることも報告されており、嗅覚がなくなった人の3割がうつ病を発症するともいわれます。

そのように嗅覚障害の人は、神経性疾患、心血管疾患、免疫疾患などの病気を持っている割合が高いだけではなく、死亡率も高いのです。

匂いが分からなくなると、ガス漏れ、火災にも気づきにくくなり、腐った食品による危険も増します。また味覚が鈍った状態を補うために糖分や塩分、脂肪分の多い偏った食生活になりがちです。

高齢になると嗅覚低下がみられますが、本人はそのことに気づいていないケースも多いようです。

年齢にかかわらず、日ごろからアロマの香りに触れて嗅覚細胞を刺激しながら、香りを通して自分の健康状態を見守ることが、病気の早期発見にもつながります。

4種類の香りを使ったトレーニング用のキットもありますが、お持ちの好きないくつかのアロマの香りを、一日数回嗅ぐだけでもじゅうぶんです。

嗅覚低下を感じている場合は、嗅覚リハビリとして、朝晩10〜15秒ほど、なじみのある複数の香りを嗅ぐことを続けてみてください。変化は少しずつで、時間がかかることもあります。

女性の場合、ホルモン低下により、嗅覚細胞の再生が遅くなるともいわれます。その点について、エストロゲン様作用のある当帰芍薬散やエクオールなどの使用に触れている医師もおられます。
アロマがお好きな方であれば、すでにお持ちの香りの中に、更年期の時期に使われることの多い精油があれば、香りを楽しみながらリラックスする時間を持ってみるのもよいでしょう。

特別なトレーニングをしなくても、日々の暮らしの中で、コーヒーや花の香り、食べ物の香りなどを意識して感じることが、嗅覚と脳、そして心の健康を守るセルフケアになります。

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